検査データを正確で安全にかつ迅速に提供し、患者さんに満足していただける診療支援を実現する。
臨床検査技術科では、直接患者さんから情報を得る生体機能検査と、患者さんから採取した検体(血液・尿・便・痰・組織など)を分析し、各種疾患などの診断に役立つ情報を提供する検体検査があります。
スタッフは医師(専任病理医含む)、臨床検査技師、アシスターの40名弱で構成されています。緊急時、急変時に対応するため、緊急検査については、休日・夜間24時間体制にて行っています。
1階に中央処置室、2階に生体検査室・病理検査室、3階に検体検査室があります。
朝8時より、1日に400~500名の外来患者さんの採血、採尿を行っています。
また、糖尿病患者さんの自己血糖測定指導も行うとともに、週1回の糖尿病教室を担当しています。
開始時間・・・午前8時より検査開始
生体検査室では、心電図・超音波検査・脳波などの生体機能検査を行い、各種疾患の診断や治療効果の評価をしています。
当院で行っている主な検査項目です
心機能検査 | 心電図・トレッドミル運動負荷試験・CPX(心肺運動負荷試験)・ホルター長時間心電図 |
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超音波検査 | 心臓領域・腹部領域・血管領域・体表領域 |
呼吸機能検査 | 肺活量・努力性肺活量・残気量・肺胞拡散能・呼吸抵抗・改善率・アストグラフ |
聴力検査 | 純音・耳鳴・チンパノメトリー・耳小骨筋反射 |
脳波・神経検査 | 脳波検査・神経伝導速度・大脳誘発検査 |
術中モニタリング検査 | 各種術中モニタリング検査 |
その他の検査 | 血圧脈派検査・皮膚灌流圧検査・サーモグラフィー・体液量測定 |
病理検査は、手術で切除、各検査で試験切除した組織を用いて顕微鏡標本を作製し、病変部の形態的変化を肉眼的且つ、顕微鏡的に総合的に観察し、最終診断を病理医(医師)が行うとても重要な検査です。その結果は手術における切除範囲や病気の治療方針、今後の経過を予測するのに役立てます。
細胞診検査は、各種がん検診または患者さんが受診してがんの可能性が考えられる場合に行われる検査です。尿や喀痰、婦人科膣粘膜、乳腺・甲状腺針穿刺など、主に外来で採取できる材料を用いて、採取された細胞のすべてを顕微鏡で観察し、がん細胞(悪性)を細胞検査士(臨床検査技師)が見つけ出す重要な検査です。
細胞の核(矢印)が正常の場合と比較して大きく濃くなっています。がん細胞(悪性)の特徴です。
細胞診では、このような細胞を顕微鏡でひとつずつ観察して見つけます。
顕微鏡でみた細胞
患者さんから採取した血液を血球成分(赤血球・白血球・血小板)と血清成分に分け、この血清を用いて、肝機能や腎機能・脂質検査、感染症や腫瘍関連検査などさまざまな検査を行い、診断や治療効果判定に役立てています。
血液中の赤血球・白血球・血小板の数を算定し貧血や炎症があるかの検査を行っています。
また、細胞を顕微鏡で観察し白血病などの血液疾患の診断・治療効果判定を行っています。
その他、血液凝固能の検査も行っています。
尿の成分を調べ腎臓や肝臓の異常をチェックし、便の検査で消化器の異常を診ます。
髄膜炎を診断するための髄液検査や、胸水や腹水が溜まった場合の検査も行っています。
また、妊娠反応や胎盤機能検査も行っていて、診断に役立てています。
患者さんから採取した血液を使って、血液型や輸血する血液製剤が患者さんと適合するか調べる 交差適合試験を行い、安全な輸血が行えるようにしています。
使用する血液製剤については、日本赤十字血液センタ-から取り寄せ、安全に輸血が行えるように管理しています。
感染症の診断のため採取された喀痰・便・尿・血液・膿などから原因菌(起炎菌)を検索・同定しています。また、適切な抗菌薬(抗生物質)を決定するための薬剤感受性試験も実施しています。
その他には、細菌が産生する毒素の検査やウィルスを短時間で検出(インフルエンザなど)する検査なども行っています。また、感染症情報の発信源として当院における菌分離頻表や抗菌薬感受性率表などを定期的に報告しています。