診療案内

消化器内科で扱う臓器は、

  • 消化管(食道、胃、十二指腸、小腸、大腸)
  • 肝臓
  • 胆道系(胆嚢、胆管)
  • 膵臓
  • 脾臓

等で、これらに関する病気の診断、治療を行っています。
当科のモットーは、できるだけ苦痛が少なく、正確で安全な検査を行い、患者さんやご家族に充分納得して頂いたうえで、最適な治療を提供させて頂くよう日々精進していくことです。

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対象疾患・治療について

主な疾患と治療法
逆流性食道炎

逆流性食道炎は、胃酸が食道にこみ上げることによって、胸焼け・胸痛・食道つまり感・げっぷ・のどの違和感等の様々な症状が出現する疾患です。また、のどの違和感やなかなか改善しない咳等も、逆流性食道炎による症状であることがあります。若い方で、胃酸が多く出る方に出現することがありますが、年齢とともに食道と胃の境目にある逆流防止弁が緩むことにより、胃酸が食道に逆流しやすくなり、上記の症状を呈することが多くなると言われています。診断としては、症状から病気を推測して、他の病気との鑑別のため、胃カメラを施行し、食道に炎症所見を認めれば、確定診断となります。しかし、所見が無い方でも、症状と他の疾患がない方は、治療効果をみて判定します。治療としては、現在はPPI製剤という非常に強く胃酸を抑える薬があるため、内服により症状消失又は軽減させることが可能です。普段から、胸焼け等症状がある方は、お気楽にご相談下さい。

胃・十二指腸潰瘍

食道癌

食道癌の発症は、喫煙や飲酒と密 接に関係しており、女性よりも男性に多い(5:1)疾患です。自覚症状(嚥下困難、食道つか え感、胸痛等)を契機に発見される場合や、検診、人間ドックで無症状ながら発見される場合があります。特に早期の段階で発見された場合は、内視鏡的切除によって治癒が可能な場合があり、当院でも、胃カメラの際には、早期の食道癌を発見すべく、色素散布 等をおこなっています。ある程度進行した段階で発見された場合は、精密検査により、病期(ステージ)を決定し、外科、放射線科 と連携して、手術、放射線療法+化学療法、またはその組み合わせから、最適と考えられる治療を患者さんやご家族に提示し、納得して頂いたうえで治療を開始しています。また、食道癌の進行等により、食道が狭窄し食事摂取が困難となった場合は、胃カメラを使用しての食道拡張や金属の管(ステント)挿入等により、QOLの改善を試みています。

胃・十二指腸潰瘍

頻度の高い疾患ですが、発見の契機は、自覚症状(心窩痛・腹部膨満感・胸焼け等)、人間ドックや 検診、吐血、下血での医療機関への搬送等様々です。原因としては、以前はストレスや痛み止めなどの 薬とされていましたが、近年では、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染によるものが最も多いこと がわかっています。当院でも、胃カメラを行い、潰瘍と診断された患者さんには、すべてピロリ菌の有無を検査して、陽性の場合は、除菌療法(胃薬・抗生剤を1週間内服)をすすめています。除菌の成功 率は80~90%で、成功した場合は潰瘍の再発率は0~数%に低下します。 ほとんどの胃・十二指腸潰瘍は、外来通院と内服治療で改善しますが、出血を伴う潰瘍は、胃カメラで の止血処置を要し、その後も1~2週間程度の入院が必要となります。また、出血が胃カメラで止められない場合は、血管撮影や外科的緊急手術の対象となる場合もあります。我々の施設では、内視鏡的止血のために、高周波焼灼装置や凝固装置、クリップ法、エタノール局注法、HSE局注法などを用いて、安全・確実な止血処置が行えるようにしています。

ヘリコバクター・ピロリ胃炎

ヘリコバクター・ピロリ菌は、井戸水等に生息する菌ですが、胃酸による劣悪な環境のなかでも生息できる特殊な菌です。以前から、胃・十二指腸潰瘍の原因とされており、また日本人の場合は、胃がんとの関連も報告されており、その場合には積極的に除菌治療を行うように勧められていました。しかし、ピロリ菌に感染している方は非常に多く、中高年以上であれば、6割以上の方が感染していると言われています。平成25年より、萎縮生胃炎というピロリ菌による胃炎が胃カメラ検査で認められた場合でも、ピロリ菌検査が保健で受けられるようになり、陽性であった場合には、2次除菌までは保健で治療することが可能となりました。除菌治療は一週間連続で抗生剤と胃薬を内服して頂く治療です。もし、ピロリ菌の有無(胃カメラを施行して頂き、萎縮生胃炎が画像上確認されればピロリ検査の施行が可能です)や除菌治療の希望がある方は、外来受診をお勧めします。

胃癌

消化器癌のなかで最も多い癌で、全体の癌の死亡数でも、男性は肺癌についで2位、女性は1位をしめています。自覚症状(食欲 不振、腹痛、タール便、貧血によるふらつき等)を契機に発見される場合もありますが、自覚症状が全くない場合も多く、早期発見 をするには、定期的に検診や人間ドック等で胃カメラを受けて頂く事をお勧めしています。当院では、胃カメラでの色素散布や生検、超音波内視鏡を施行し、浸潤範囲(癌の大きさ)や深達度(癌の深さ)を正確に診断し、基準を満たす早期胃癌に対しては、粘膜切開剥離法(ESD)を積極的に施行しております。このため、以前であれば開腹手術を要した腫様でも、内視鏡で完治できる症例が増えてきています。内視鏡的切除の適応がない進行癌の場合は、外科と連携して手術での根治を目指します。また、他の臓器への転移を認める等で、手術の適応がない場合は、腫瘍内科と連携して、 化学療法(抗癌剤)の使用を検討します。ここ数年胃癌に対する抗癌剤治療は確実に進歩しており、副作用を軽減させるための方法 も進んでいます。当院でも患者さんの状態やニーズに合わせて積極的に化学療法を施行しています。

大腸ポリープ・大腸癌

大腸ポリープは、その組織により、過形成性ポリープ、炎症性ポリープ、腺腫、腺癌などに分類されますが、一般的に治療の対象 となるのは、腺腫や腺癌です。他のポリープも大きさや出血の程度によっては治療の対象となる場合があります。当院では、大腸スコープを積極的におこない、大腸ポリープ(特に腺腫、早期大腸癌)の早期発見に努めています。大腸スコープ施行時に、大腸 ポリープが発見された場合には、拡大内視鏡や色素散布を行い、適応があれば、そのまま内視鏡的ポリープ切除であるポトペクトミーや内視鏡的粘膜切除術(EMR)を施行します。ポリープを切除した場合でも、出血等のトラブルがなければ、入院はせずにそのまま帰宅して頂くことがほとんどですが、念のために、大腸スコープの際は、あらかじめ入院できる準備をして頂いています。また、2012年4月から、大腸腺腫と早期大腸癌に対しての内視鏡的粘膜切開剥離法(ESD)による治療が保健で可能となりました。当院でも積極的にESD治療を施行しており、EMRによる切除と比較して、より大きな病変を切除することが可能なため、以前は外科的手術を必要とした病変も、内視鏡的に切除か可能となるケースが増えています。但し、ESD治療は、EMRと比較して、出血や大腸穿孔等の合併症の率が高いこと・治療に時間を要することより、入院しての治療となっております(通常1~2週間程度)。進行癌や内視鏡的に切除が困難な場合は、外科と連携して手術療法を中心に方針を検討させて頂いております。また、すでに他臓器に転移して、手術治療のみでは根治が難しい状態の場合は、腫瘍内科・外科・消化器内科合同で治療方針を検討して、化学療法・手術療法等を組み合わせることによって、最適な治療を提供させて頂きます。特に大腸がんの化学療法はここ数年でめざましく進歩しているため、当院でも積極的に化学療法を勧めさせて頂いております。

胆嚢炎・胆管炎

胆石や胆泥、胆砂等により、胆嚢が腫れ、痛み(右上腹部やみぞおち)や発熱を引き起こすものを胆嚢炎、さらにそれらが、総胆管という細い管に落下してひきおこされるものが胆管炎です。まれですが、胆嚢や総胆管に癌などの腫瘍ができ、それにより胆嚢炎・胆管炎が引き起こされる場合もあります。治療としては、絶食・点滴・抗生剤投与が主となりますが、両者とも重篤な状態となることがあり、緊急での胆嚢ドレナージ(皮膚をつらぬいて胆嚢にカテーテルを挿入して胆汁や膿を体の外に排出する方法)や胆管ドレナージ(胃カメラを使用して十二指腸から総胆管にカテーテルを挿入して総胆管の胆汁や膿を腸に排出する方法)が必要となる 場合があります。現在の主流は、総胆管結石は、消化器内科で内視鏡的に排石して、胆石は外科で腹腔鏡手術にて胆嚢を摘出する方法です。この方法であれば、手術痕は小さくてすみ、入院期間も短縮されますが、内視鏡での摘出が困難な方や、胆嚢の癒着等により開腹での手術が必要な場合もあります。

慢性肝炎

慢性肝炎はその原因により、ウイルス(B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス)性肝炎とその他(薬剤性、アルコール性、自己免 疫性、脂肪等)に大きく分かれます。いずれも自覚症状は乏しく、検診や人間ドック、献血等で指摘されてはじめて発見される場合が多い疾患です。しかし、いずれも放置した場合は、肝硬変から肝癌に進展する可能性があり、定期的な通院・検査が必要です。特にC型慢性肝炎は、近年、抗ウイルス療法(インターフェロン・抗ウイルス剤等)が目覚ましくすすんでおり、インターフェロンと抗ウイルス剤を組み合わせた治療のウイルス消失率は80%以上まで上昇しております。また、2014年秋以降には、飲み薬だけによる治療も施行できる予定であり、治療の選択肢も拡がっています。また、B型慢性肝炎にたいしても、新たな抗ウイルス剤が承認されており、当院でも肝炎治療のガイドラインにもとづき、治療をおこなっております。自覚症状がなくとも、肝炎が心配な方や、肝機能障害や肝炎との診断を受けて悩んでおられる方は、是非、外来を受診して相談して頂くようお勧めします。

肝硬変

慢性肝炎から病状が進展し、肝臓の線維化が進んだ状態が肝硬変です。肝硬変まで進んでしまうと元の状態には戻らず、症状のない又は症状があっても治療に反応する時期(代償期)から治療に反応しなくなる時期(非代償期)へと進みます。主な症状には、腹水、下肢のむくみ、黄疸とそれによる痒み、食欲不振等があります。また、肝臓でのアンモニアの分解ができなくなるため、手の震え、性格の変化、不穏、意識混濁、痙攣等の肝性脳症をおこします。いずれも、薬物療法が基本となりますが、症状によっては、入院加療が必要となります。また、肝硬変の合併症として、食道静脈瘤があります。破裂をすると大量に出血し、命にかかわるため、 肝硬変の方には定期的に胃カメラを施行し、破裂する危険性の高い食道静脈瘤がある場合は、内視鏡での予防的処置を積極的に勧めています。

肝癌

肝癌の90%はB型やC型肝炎ウイルス感染が原因であり、男性では3位、女性では5位の癌死の原因となっています。自覚症状は ほとんどないため、早期発見には、慢性肝炎や肝硬変の段階から、定期的に通院し画像検査(腹部超音波、腹部CT等)をおこなっていくことが非常に重要です。肝癌の治療には、手術・経皮的治療(ラジオ波、PEIT等)・血管撮影(動注療法、塞栓療法など)があります。当院では、患者さんの全身状態、肝臓の予備力、肝癌の大きさや個数等から、外科・放射線科・腫瘍内科と連携して、最適な治療法を検討し提案させて頂いております。

急性膵炎

急性膵炎は、急激な腹痛、背部痛、嘔吐、発熱等で発症し、血液検査や画像(腹部エコー、CT)等によって診断される疾患で す。その成因は、アルコールと胆石で半分以上を占めています。軽症のものであれば、絶飲食と輸液で軽快しますが、10~20%程度は重症化し、重症化した場合は、透析治療や抗膵炎薬や抗生剤を直接膵臓の血管に注入する動注療法、感染性膵壊死に対しての外科的治療等の様々な治療がおこなわれます。しかし、その致死率は20~30%と高率な疾患です。アルコール多飲歴のある方や胆石を指摘 されたことがある方が、上記のような症状を訴えられる場合は、早期に医療機関を受診し、診療・検査を受けて頂くことをお勧めします。

腸閉塞(イレウス)

腸閉塞とは、種々の原因により、腸管内容物(腸液、便)の通過障害をおこした状態で、排便及び排ガスの消失、嘔吐、腹痛を伴 い、腹部のレントゲンやCTで診断されます。腹部手術後の腸の癒着によるものが最も多く、また、大腸腫瘍や小腸腫瘍、外部から の圧迫でもおこります。それらの原因がなくても、腹膜炎や急性膵炎、胆嚢炎等で腸管運動の麻痺がおこり、腸閉塞をおこすことが あります。治療は、重症度にもよりますが、絶飲食と点滴治療を基本とし、胃に細い管を挿入する方法や、太い管(イレウス管)を 小腸まで挿入して、腸管内にたまった腸液やガスを取り除く方法があります。それらの治療を数日間おこなっても改善が乏しい場合 や、腸閉塞のなかでも、腸管の血流が阻害され腸管が壊死する絞扼性イレウスが疑われる場合は、外科と連携して早急な手術をすすめています。

入院の目安
区分 入院期間
内視鏡的胃粘膜切除術(EMR) 約6日間
内視鏡的胃粘膜切開剥離術(ESD) 7~10日間
内視鏡的大腸粘膜切除術(EMR) 2日間(1泊2日)
出血性胃・十二指腸潰瘍(緊急入院) 10~14日間
肝生検 3日間(2泊3日)
C型慢性肝炎に対するペグインターフェロン+リバビリン治療の導入 約2週間
肝臓癌に対する腹部血管撮影+塞栓術(TAE) 10~14日間
肝臓癌に対するラジオ波焼灼療法(RFA) 10~14日間

※合併症があった場合や重症度が高い場合はこの限りではありません。

診療実績

消化器内科診療実績 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度
上部内視鏡(胃カメラ) 5,524 5,326 5,828 5,528
下部内視鏡(大腸カメラ) 1,992 2,132 2,197 2,105
早期胃がんの胃粘膜切開剥離術 36 28 46 27
早期大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術 40 53 40 52
大腸ポリープに対する内視鏡的粘膜切除術 671 619 776 693
上部消化管出血止血術 95 65 111 117
胃瘻造設術(PEG) 61 39 39 31
内視鏡的膵管胆管造影(ERCP) 332 419 316 350
内視鏡的総胆管結石排石術・砕石術・採石術 96 179 136 186
内視鏡的食道静脈瘤硬化療法
・結紮術(EIS・EVL)
27 25 21 25
小腸カプセル内視鏡検査 17 13 12 10

スタッフ紹介

奥村 明彦

おくむら あきひこ

副院長 兼
内科代表部長

  1. 消化器内科
    肝臓病学
  1. 日本内科学会 認定内科医 • 指導医
    日本消化器病学会 専門医 • 指導医
    日本肝臓学会 専門医 • 指導医
    日本がん治療認定医機構 がん治療
    認定医
    日本医師会 認定産業医
    臨床研修指導医

渡邉 一正

わたなべ かずまさ

院長補佐 兼
感染制御部長 兼
消化器内科代表部長

  1. 消化器内科
    内視鏡治療
    肝臓
  1. 日本内科学会 総合内科専門医
    日本消化器病学会 専門医
    日本消化器内視鏡学会 専門医
    日本肝臓学会 専門医
    日本がん治療認定医機構 がん治療
    認定医
    日本医師会 認定産業医
    臨床研修指導医

國井 伸

くにい しん

内視鏡センター長 兼
内視鏡内科部長

  1. 消化器内科
    内視鏡治療
    インターベンション治療
  1. 日本内科学会 認定内科医
    日本消化器病学会 専門医
    日本消化器内視鏡学会 専門医
    日本がん治療認定医機構 がん治療
    認定医
    臨床研修指導医

石川 大介

いしかわ だいすけ

消化器内科部長

  1. 消化器内科
  1. 日本内科学会 認定内科医
    日本消化器病学会 専門医
    日本消化器内視鏡学会 専門医
    臨床研修指導医

廣﨑 拓也

ひろさき たくや

第一消化器内科医長

  1. 消化器内科
  1. 日本内科学会 認定内科医
    日本消化器病学会 専門医
    日本消化器内視鏡学会 専門医
    日本肝臓学会 認定肝臓専門医
    臨床研修指導医            

橋詰 清孝

はしづめ きよたか

第二消化器内科医長

  1. 消化器内科
  1. 日本内科学会 認定内科医
    日本消化器病学会 専門医

山田 健太朗

やまだ けんたろう

医員

  1. 消化器内科
  1. 日本内科学会 認定内科医


加賀 充朗

かが あつろう

医員

当院へのご質問・ご意見など、お気軽にお問い合わせください。

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