海南病院は地域の基幹病院かつ臨床研修病院であります。
小児科の機能としては二次病院の役割を果たし、三次機関である中核病院(大学病院)への仲介を担っています。日本小児科学会より提唱されている地域小児科センター病院に当てはまります。またNICUは愛知県より地域周産期母子医療センターとして指定され、産科と協力しながら周産期医療に携わっています。日本周産期・新生児医学会より指定施設に登録されています。ハイリスク妊婦が増えている状況の中、NICUが整備されている当院への紹介が高くなっています。診療圏としては海部・津島医療圏、名古屋市南部の中川区・港区、三重県では隣接する桑名市を含む北勢地域まで広がっています。少子高齢化の時代ですが、当地域は15歳未満の小児人口の割合も高く小児医療に対しての期待が増大しています。
15歳未満(中学校卒業まで)の小児を対象に内科的疾患の診療を行っています。初めて来院される方は午前の一般外来を受診してください。
また専門外来がわからない場合にもまず小児科一般外来を受診していただければ、それ以後適切な専門外来と連携して診療をさせていただきます。
発熱、咳、下痢など急性疾患を対象とした外来です。予約受付はしていませんので直接受診してください。一般外来は11時まで受付をしています。
麻疹(はしか)、水痘(水ぼうそう)、ムンプス(おたふくかぜ)、風疹(三日はしか)など感染性のおそれのある人は診察室を別にしていますので、来院時受付にお知らせください。
他の医療機関にも受診されている場合には、薬の説明書(お薬手帳)なども持参していただきますと診療の参考になります。
幼児のそけいヘルニア(脱腸)、臍ヘルニア(でべそ)など外科的処置を必要とする患者さんは、一般外来から小児外科(毎週火曜日)や形成外科を紹介していますのでご利用ください。
基礎疾患を持っている子供たちの専門外来や乳児健診・予防接種を行っていますので、感染予防のため急性疾患の方は午前の一般外来でお願いします。従って午後の一般外来はお断りしており、近隣の開業医を紹介させてもらっています。しかし、救急車や病診連携での紹介患者は受付に連絡してくだされば診療をさせていただきます。
救急外来で内科系医師・臨床研修医の協力の下で診療を行っています。小児科医師は外来当直をしていないのでご了承ください。入院患者や紹介患者のある場合は小児科医師に連絡できる体制をとっていますので、開業医の方々は時間外受付のほうへご紹介ください。
自閉症スペクトラムや注意欠陥多動性障害等の発達障害の児の診察を行っています。患者の増加に伴い、初診は1年以上待っていただいております。
低出生体重児、早産児、病的新生児の定期フォローを行っています。主に当院NICUにて入院していた児の精神運動発達を中心に⾧期管理をしています。
定期接種である麻疹・風疹混合(MR)、四種混合(DPT-IPV)、二種混合(DT)、BCG、日本脳炎、インフルエンザ桿菌b型(Hib)、肺炎球菌、水痘や任意接種である、おたふくかぜ、インフルエンザ、B型肝炎、ロタウイルスなど行っています。但し当院は予防接種についても二次機関であり、ハイリスクのため保健センターや開業医で接種できなかった児を対象に行っています。早産児、先天性心疾患、ダウン症候群、免疫不全を伴う乳幼児におけるRSウイルス感染予防のためのパリビズマブ(シナジス)も行っています。いずれも予約なので平日の午後に受付までご連絡ください。
名古屋市立大学病院より小児内分泌の専門医師が担当し、成長障害、甲状腺疾患、副腎疾患、性分化、性発達異常に伴う疾患、視床下部・下垂体障害による内分泌疾患などの管理を行っています。
毎木曜日は1ヶ月健診を行っています。また診察時に現在困っていることを遠慮なくご相談ください。同時に栄養指導も行っていますのでご利用ください。
名古屋市立大学病院より小児循環器の専門医師が担当し、先天性心疾患、川崎病のフォロー、学校心臓検診での二次精検を行っています。学校の心臓検診で精検の必要な方は平日の午前に受診して心臓外来を予約してください。
平成29年10月から名古屋市立大学病院より小児神経の専門医師が担当し、てんかん、神経筋疾患の児の診療に当たります。開業医より病診連携を通じて神経外来を予約してください。
NICU(新生児集中治療室)は平成13年より愛知県地域周産期母子医療センターに指定され、低出生体重児、重症仮死児、病的新生児を24時間体制で管理しています。早産児、多胎児、緊急帝王切開などハイリスクのある場合は、当院産科の協力のもと母体搬送を積極的に受け入れていますのでご連絡ください。もし病的新生児が生まれましたなら、救急車にて新生児搬送も行っています。しかし、当院母子医療センターが満床時は他の医療機関を紹介する場合があることをご了承ください。NICUの構成は、重症な新生児の管理が行われる保険認可のNICU3床と軽症な児や急性期の治療が終了した児が収容されるGCU9床の計12床にて稼働しています。新生児外科的疾患と複合心奇形の児は他院へ紹介し転院させていただいていますが、心臓血管外科および麻酔科のおかげで動脈管開存症の手術は可能となりました。また重症新生児仮死に対する脳低温療法や新生児遷延性肺高血圧症に対する一酸化窒素吸入療法も積極的に行っています。
小児病棟は急性疾患や慢性疾患の患児を中心に入院治療しています。また検査入院としては食物アレルギー負荷試験、成⾧ホルモンをはじめとする内分泌負荷試験などを行なっています。意識障害・呼吸障害・急性循環不全など重症な場合はICUとの連携にて管理しています。悪性腫瘍疾患や先天性心疾患に関しては診断がつけば、三次である大学病院へ紹介しています。⾧期入院が必要な児に対しては、院内学級(市立桜小学校)が併設されており治療を受けながら勉強をすることができます。
年間1万人を越えるようになり、年々増加傾向を認める原因不明の疾患群であります。主に4歳以下の小児に発症し、1歳前後が最も多いです。経過中に心臓の冠動脈に拡張、瘤ができ、狭心症・心筋梗塞など発症する場合があります。冠動脈障害を予防する目的でγグロブリン大量療法が行われ、抗炎症療法としてアスピリンが使用されます。
区 分 | 入院期間 |
---|---|
食物アレルギー経口負荷試験 | 約1~2日間 |
成長ホルモン分泌刺激試験(低身長の検査) | 約3日間(2泊3日) |
小児科 | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 |
---|---|---|---|
入院患者数 | 1133 | 1156 | 935 |
先天奇形および染色体異常 | |||
消化器系 | 1 | 3 | 3 |
その他 | 3 | 3 | 7 |
内分泌および代謝疾患 | |||
糖尿病 | 4 | 8 | 0 |
代謝障害 | 50 | 43. | 34 |
感染症 | |||
腸管感染症 | 61 | 36 | 46 |
その他の細菌性疾患 | 10 | 7 | 8 |
皮膚および粘膜病変のウイルス感染症 | 8 | 8 | 6 |
その他のウイルス | 0 | 23 | 11 |
呼吸器疾患 | |||
上気道感染症 | 118 | 104 | 101 |
肺炎、気管支炎、細気管支炎 | 141 | 119 | 134 |
ウイルス性肺炎およびインフルエンザ | 14 | 16 | 28 |
気管支喘息 | 117 | 137 | 128 |
循環器疾患 | |||
先天性心疾患 | 1 | 2 | 1 |
川崎病 | 28 | 39 | 25 |
血液・腫瘍性疾患 | |||
悪性新生物 | 2 | 2 | 0 |
特発性血小板減少性紫斑病・血管性紫斑病 | 12 | 7 | 11 |
腎疾患 | |||
腎炎 | 0 | 1 | 3 |
ネフローゼ症候群 | 4 | 2 | 1 |
尿路系その他の疾患 | 12 | 11 | 15 |
神経疾患 | |||
熱性痙攣 | 16 | 9 | 30 |
てんかん | 19 | 28 | 24 |
髄膜炎 | 7 | 11 | 3 |
●ウイルス性 | 1 | 2 | 3 |
●細菌性 | 0 | 1 | 1 |
●脳炎、脳症 | 2 | 0 | 1 |
消化器疾患 | |||
肝炎 | 1 | 0 | 0 |
腸重積 | 9 | 6 | 4 |
検査入院 | |||
食物アレルギー負荷 | 229 | 295 | 80 |
内分泌負荷試験 | 13 | 13 | 11 |
NICU | 平成26年度 | 平成27年度 | 平成28年度 |
---|---|---|---|
NICU入院患者数 | 171 | 168 | 168 |
院内 | 125 | 133 | 136 |
院外 | 46 | 35 | 32 |
出生時体重 | |||
1000g未満 | 4 | 4 | 3 |
1000g以上1500g未満 | 9 | 2 | 7 |
1500g以上2000g未満 | 19 | 27 | 15 |
2000g以上2500g未満 | 45 | 36 | 36 |
2500g以上 | 94 | 99 | 107 |
人工呼吸管理 | 23 | 25 | 18 |
多胎 | 16 | 16 | 21 |
死亡数 | 1 | 0 | 1 |
先天性心疾患 | 7 | 4 | 7 |
外科的疾患 | 0 | 3 | 1 |
脳外科疾患 | 0 | 0 | 0 |
小久保 稔
こくぼ みのる
新生児センター長 兼
小児科代表部長
浜田 実邦
はまだ みほ
第一小児科部長
長崎 理香
ながさき りか
新生児科部長
六鹿 泰弘
ろくしか やすひろ
第二小児科部長
大橋 圭
おおはし けい
第一小児科医長
大江 雅美子
おおえ まみこ
第二小児科医長
吉田 あや
よしだ
第三小児科医長
今和泉 幸恵
いまいずみ ゆきえ
医員
山本 幸佑
やまもと こうすけ
医員