病院長挨拶
海南病院のホームページをご覧いただきましてありがとうございます。また、日頃より当院に対しまして、たくさんのご支援、ご協力を賜っておりますことに心より感謝を申し上げます。
4年以上にわたり私たちを苦しめてきた新型コロナウイルス感染症は、令和5年5月8日に感染症法上の扱いが5類に引き下げられて一つの区切りを迎えました。以前のように肺炎になって入院される患者さんは減少し、私たちの生活もコロナ禍以前の生活に戻ってきていると感じております。病院からの情報発信も実開催で行われることが多くなり、ひらきかけていた地域の皆さまとの距離も縮まってきたのではないかと感じております。とはいえ、感染力が非常に強いウイルスであることに変わりはなく、あっという間に院内感染が広まるということを当院でも経験しております。診療機能を維持していくために、感染対策をしっかり実施しながら診療を行っております。院内でのマスク着用や面会の制限等につきまして、皆さまのご理解を賜れれば幸いです。
さて、近年全国的に救急搬送が増加しております。令和5年度には、当院でも前年度より約800台多い10,278台の救急車を受け入れました。これもひとえに、地域の医療機関の皆さま、そして地域の行政機関の皆さまからのご理解と温かいご支援のおかげであり、厚く御礼申し上げます。当院では、救急搬送の増加に対応しながら、より多くの重症患者さんを治療するため、救急搬送された患者さんの状態に応じて、初療後速やかに2次病院へと搬送させていただくという、新しい救急搬送方式の運用に向けて、近隣の医療機関の皆さまとの協議を開始しております。地域の救急医療を支える最後の砦であることをしっかりと認識し、救急診療体制をさらに強化して救命救急センターとしての役割を果たしていくよう努力してまいります。
令和6年4月1日から、医師の働き方改革がいよいよ実施されました。医師の時間外労働が法律で規制されます。医師一人ひとりの健康を守りつつ、この地域の医療を守っていくためには、それぞれの医療機関の役割分担と連携が今まで以上に重要になってきますが、地域の皆さんのご理解とご協力なくして改革は進みません。皆さまのご理解とご協力を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
急速に進む少子高齢化のもとで、この地域の医療を守っていくために、海南病院では全職員が一丸となって努力してまいります。今後ともご指導とご鞭撻を賜りますよう何卒よろしくお願い申し上げます。
令和6年5月
病院長 奥村 明彦
理念・方針・倫理綱領
理念
私たちは医の倫理をしっかり見据え、質の高い、安全で安心な医療提供をとおして、
地域を守り、地域から信頼される病院を築きます
基本方針
- 医の倫理をしっかり見据え、和を大切に、心ある医療を実践します
- 患者さんとの信頼関係を築き、理解・納得いただける患者中心の医療をめざします
- たゆみない研鑽を重ね、質の高い、公正で安全な医療を提供します
- 地域の基幹病院としての役割を自覚し、医療・福祉の連携体制を確立します
- 個人情報を保護しつつ、病院をより理解していただくため情報開示に努めます
- 高い専門性と豊かな人間性をもつ医療人を育て、活力ある職場環境を醸成します
- 地域医療を担い守るため、効率的な病院運営に努め、経営の安定を図ります
- 医療・保健・福祉活動を基盤とし、健全な地域社会の発展に貢献します
患者さんの権利と責務
- 良質で安全な医療を受ける権利
患者さんには最新の医学的根拠に基づく良質で安全な医療を平等に受ける権利があります。 - 医師や医療機関を選択する権利
患者さんには医師や医療機関を自由に選択し変更することができ、どのような治療段階においても他の医師の意見(セカンドオピニオン)を求める権利があります。 - 医療行為を選択し決定する権利
患者さんには診断に必要な検査や治療を医師の説明の範囲内において選択し決定する権利があります。
また、患者さんには医学研究や医学教育に参加するかどうかを決定する権利があります。 - 医療上の情報と説明を受ける権利
患者さんには自分の医療上の記録を含むあらゆる情報を知るとともに、十分な説明を受ける権利があります。 - プライバシーが保護される権利
患者さんには健康状態、症状、診断、治療および予後など医療上の情報をはじめ、個人の身元を確認できる情報も保護される権利があります。 - 人間としての尊厳を求める権利
患者さんには最新の医学的知見に基づき苦痛の除去を求める権利があります。また、終末期ケアにおいて、尊厳を保ち安らかに最期を迎える権利があります。 - 医療への参加と協力の責務
患者さんにはよりよい医療を受けるために、病院のルールを守り、医療従事者との信頼関係を築くための協力をする責務があります。
平成20年8月11日制定
令和4年1月1日改訂
こども患者の権利
- あなたは、ひとりの人間として大切にされます。
- あなたは、わかりやすい説明をうけ、よい医療をうけることができます。
- あなたは、自分の考えをのべ、医療に参加することができます。
- あなたは、できるかぎり家族と一緒にすごし、すこやかに育つ支援をうけることができます。
職業倫理綱領
海南病院は、病院の理念および基本方針に掲げる使命を果たすため、職員が遵守すべき行動の規範を、職業倫理綱領として以下に定める。
- 医療を必要とする人に、優しさと温かさをもって接するとともに、最善の医療を提供し、信頼を得るように努めます。
- 医療従事者として、この職業の尊厳と責任を自覚し、常に知識と技術の習得に努めるとともに、教養を深め、品格を高めるよう心掛けます。
- 医療の公共性を重んじ、医療を通じて社会の発展に尽くすとともに、法規範の遵守および法秩序の形成に努めます。
- 職務上知り得た個人情報は、在職中、退職後にかかわらず正当な理由なく他に漏らしません。
- 業務の上で組織の資産・経費を私的に使う公私混同は行いません。また、業務を通じて不正な利益を図ることは行いません。
平成21年1月27日制定
令和4年1月1日改訂
臨床倫理網領
海南病院は、病院の理念および基本方針に基づき、臨床における倫理綱領を以下に定める。
- 患者さんの権利を尊重し、良質で安全な医療を平等に提供し、医療における説明責任を果たします。
- 患者さん個人の宗教や信条、価値観等に配慮した医療を提供し、倫理原則に則って行動します。
- 患者さんの国籍、宗教、信条、年齢、性別、社会的地位、経済的状況、ライフスタイルなどに関わらず、平等に接します。
- 医療の安全管理に最大の努力を尽くします。発生した有害事象に対しては関係者の救済を優先するとともに、原因究明を徹底し、再発防止に努めます。
- 医療行為、医学研究にあたっては、その生命・医療倫理上の課題について院内規程に添って担当委員会の審議を受けます。
平成21年1月27日制定
令和4年1月1日改訂
暴言・暴力・迷惑行為に対する基本方針
○当院は、暴言・暴力・迷惑行為を決して容認しません。
○万一、暴言・暴力・迷惑行為が発生した場合は、職員が一丸となって組織的に対応します。
当院では、以下に示す迷惑行為を禁止しています。
万一、迷惑行為があった場合、診療等をお断りすることがあります。
また、職員の注意・制止などに従わない場合は、警察へ通報します。
皆さまと職員の安全を確保し、円滑に診療等を行うため、ご理解とご協力をお願いします。
迷惑行為 |
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●大声・暴言または脅迫的な言動 ●暴力もしくはそのおそれが強い行為 ●セクハラ行為、ストーカー行為 ●解決し難い要求を繰り返し行う行為 ●正当な理由なく敷地内に立ち入り、注意しても退去しない行為 ●建物設備等を無断使用、持ち出し、または故意に破損する行為 ●受診等に必要でない危険な物品を敷地内に持ち込む行為 ●敷地内での飲酒、喫煙、またはこれに準ずる行為 ●SNS等を利用し、当院または職員を誹謗・中傷する行為 ●許可なく職員、建物設備等を撮影・録音する行為、またそれらで得た写真・動画・音声などの情報をSNS等へアップロード(公開)する行為 ●他の患者、利用者に迷惑を及ぼす行為 ●職員の業務を妨げる行為 ●正当な理由なく職員の指示に従わない行為 ●当院の管理・運営に重大な支障をきたす行為 |
令和5年10月12日
海南病院
病院概要
所在地
〒498-8502 愛知県弥富市前ケ須町南本田396番地
TEL 0567-65-2511
FAX 0567-67-3697
病床数
540床(一般病床534床 感染病床6床)
診療科(標榜科) 全31科
- 内科
- 呼吸器内科
- 循環器内科
- 消化器内科
- 糖尿病・内分泌内科
- 腎臓内科
- 血液内科
- 脳神経内科
- 老年内科
- 緩和ケア内科
- 腫瘍内科
- 精神科
- 小児科
- 外科
- 乳腺・内分泌外科
- 整形外科
- 形成外科
- 脳神経外科
- 心臓血管外科
- 皮膚科
- 泌尿器科
- 産婦人科
- 眼科
- 耳鼻いんこう科
- 放射線科
- 麻酔科
- リウマチ科
- リハビリテーション科
- 救急科
- 病理診断科
- 歯科口腔外科
各種指定
- 救急告示病院
- 臨床研修指定病院
- 地域周産期母子医療センター
- 地域がん診療連携拠点病院
- 救命救急センター
- 地域医療支援病院
- 紹介受診重点医療機関
- 地域中核災害拠点病院
- 労災保険指定医療機関
- 国民健康保険指定医療機関
- 結核指定医療機関
- 被爆者一般疾病医療機関
- 第二種感染症指定医療機関
- 脳卒中救急システム選定病院
- 脳死下臓器提供施設
- 生活保護法指定医療機関
- ドクターヘリ受け入れ病院
- 高度救命救急医療機関(地域医療計画)
- 心筋梗塞システム選定病院
- 肝疾患専門医療機関
- 愛知県DMAT指定医療機関
- 東海ブロックエイズ治療協力医療機関
- マンモグラフィ(乳房X線写真)検診施設
- 養育医療機関
- 自立支援医療機関(育成医療・更生医療)
- 母体保護法指定医配置医療機関
- 母体保護法指定医師研修機関
- 生活保護法指定介護機関
- NCD施設会員
- 特定行為研修指定研修機関
- 身体障害者福祉法指定医配置医療機関
学会認定
沿革
当院は愛知県の西端に位置し、海部医療圏内において公的医療機関の役割を担い、名古屋市西部から三重県北勢地域の一部にまたがる基幹病院として機能しています。
開設は昭和13年8月、保証責任海南医療購買利用組合連合会により、地域住民のための組合病院として、内科・外科の診療科と病床数20床をもって誕生しました。
戦後、昭和23年8月に愛知県厚生農業協同組合連合会に移管され、現在も地域に根づいた医療を展開しています。
その間、昭和34年9月には伊勢湾台風により壊滅的被害を受け、昭和36年7月に鉄筋コンクリート造り診療棟二階建、病棟三階建、病床数245床にて再建。
以後、増改築工事を積み重ね、平成15年2月に手術室・ICUを含むAB病棟を整備し、その後、緩和ケア病棟、感染症病棟等を開設。平成24年より建て替えを行った新診療棟を平成27年7月に全面稼働。現在の病床数は540床に至っております。
海南病院のシンボルマーク
海南病院のシンボルマークは、木曽三川、ハト、四つ葉のクローバーで構成されています。
木曽三川の清流にはぐくまれた海部弥富の地に、やさしさと平和の象徴のハトが、
安心と幸せ(クローバー)を運んできます。
海南病院は、地域の皆さまに、安心でやさしい「心ある医療」を提供する・・・
という意味がこめられています。
教育病院としての責務
当院は厚生労働省から臨床研修病院の指定を受け、臨床研修医の教育を行っています。
臨床研修医は2年間のうちに複数の診療科で頻度の高い病気や外傷について診断治療を経験し、将来の専攻科にかかわらず必要とされる幅広い領域の臨床能力を習得します。
臨床研修医は医療チームの一員として診療参加します。
また当院は、大学医学部、医療職養成学校、特定行為研修、救急隊の実習病院に指定されています。
実習生は指導者の監督のもと、患者さんの承諾をいただき、公的に許容されている範囲内で医療に参加します。
臨床研修医や実習生は、皆さまと将来世代の健康を担う貴重な人材です。
当院は医療人育成も重要な社会使命と考えて、教育病院としての役割を果たしてまいります。
臨床研修や実習につきまして、地域の皆さまのご理解とご協力、ご支援をいただきますよう、宜しくお願いいたします。