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0567-65-2511

診療案内

泌尿器科で主に扱う臓器としては、副腎・腎・尿管・膀胱・尿道・前立腺・精巣・陰茎と多岐にわたります。一般には男性特有の疾患をイメージされがちですが、実際には男性生殖器だけではなくて尿路も取り扱っており、性別や年齢にかかわらず受診できる診療科です。当科の特徴としては、地域の基幹病院として多数の紹介患者さんが来院され、特に悪性腫瘍と尿路結石症に対する手術の件数が多いことがあげられます。ほぼ毎日が手術日となっており、例年500件以上の手術を行っています。できるだけ当院で治療を完結させるようにしていますが、診療レベルを保つために一部の専門性の高い疾患については大学病院と連携しております。今後も患者さんに寄り添いつつ、高度な医療を安心して受けられるような体制作りを目指していきたいと考えています。

主な疾患と治療法

  • 前立腺肥大症
  • 過活動膀胱
  • 尿路結石症
  • 尿路感染症

前立腺は男性特有の臓器で、膀胱の直ぐ下にあって尿道を取り囲んでいます。正常ではクルミ大ともいわれますが、年齢とともに肥大してくることが多く、尿道を圧迫するために尿の出が悪くなったり、尿の回数が増えたりします。高齢者では半数以上の人に何らかの症状が見られるとされます。最近では薬物治療が主体となりましたが、改善がない場合や尿が出なくなるなどの症状が見られる場合は前立腺の肥大した部分を取り除く手術を受けることもできます。当科では、レーザーまたは電気メスで前立腺を核出する手術(HoLEPまたはTUEB)を主に行っていますが、患者さんの病状に合わせて電気メスで前立腺を削る手術(TUR-P)も選択しております。

突然強い尿意をもよおす尿意切迫感を特徴とする疾患で、しばしば頻尿や尿漏れを伴います。年齢とともに増加するとされ、男性では前立腺肥大症が原因になる場合もあります。原因(脳神経疾患や前立腺肥大症など)が明らかであれば、そちらに対する治療を先行しますが、加齢によるものや原因不明なものでは膀胱の収縮を抑えるような薬物治療が主体となります。最近では、内服での薬物治療が無効な場合にボツリヌス毒素を膀胱壁内に注入する治療法も登場しており、当科では数日間の入院で治療を行っています。

腎結石・尿管結石・膀胱結石を総称して尿路結石と呼びます。激しい痛みを起こすだけでなく、尿路感染症や腎機能障害を招く可能性もあります。サイズの小さなもの(5mm未満が目安)であれば自然に排石することも期待できますが、大きな結石やなかなか排石しない場合には外科的な治療が必要です。治療法は大きく分けると、体外衝撃波による結石破砕と内視鏡による結石破砕の2つの方法があります。いずれの治療法も一長一短がありますので、当科では結石のサイズ・位置・感染の有無などを考慮して最適な治療法を選択しています。

尿の通り道に、細菌が感染して炎症を起こすものが尿路感染症です。感染を起こす部位によって、腎盂腎炎・膀胱炎・前立腺炎・精巣上体炎などがあります。その中でも、尿路結石や排尿障害が原因で発症した腎盂腎炎は重症化することがあります。全身の状態をよく検討して、入院での点滴治療やカテーテルの挿入などを考慮します。細菌が血液中に入り込む敗血症と呼ばれる状態になると生命の危険があるため、特に高齢者や免疫低下している場合は注意が必要です。

  • 前立腺がん
  • 膀胱がん
  • 腎がん
  • その他

男性のかかる悪性腫瘍では最も多いがんとされ、依然として増加傾向です。前立腺肥大症と異なり症状のないことがほとんどで、検診でのPSA採血がきっかけとなって受診される患者さんが多いです。通常はまずMRIを行って、がんを疑う所見が見つかれば、前立腺の針生検を1泊2日の入院で行っています。生検の結果でがんが検出されたら、CTや骨シンチで転移の有無を確認します。治療法は、薬物治療・放射線治療・手術の3つに分けられますが、年齢や病状を考慮して最適な治療法を提案しています。当科では2013年から手術支援ロボットを用いた手術を導入しており、これまでに600件近い手術実績があります。

膀胱に発生する悪性腫瘍は、尿路上皮がんと呼ばれる種類のがんが一般的で、肉眼で分かるような血尿が出ることが多いです。血尿以外には、頻尿や排尿時痛など膀胱炎によく似た症状が見られることもあります。早期であれば内視鏡で腫瘍を切除する手術を行いますが、再発率が非常に高いのが特徴です。術後の再発予防として、BCGや抗がん剤を膀胱内に注入する治療が推奨されています。内視鏡手術では切除しきれない浸潤がんでは、膀胱を摘出する手術が考慮されます。こちらも当科では2018年から手術支援ロボットを用いた手術を導入し、患者さんの体への負担が出来るだけ小さくなるようにしています。すでに転移が見られる場合は抗がん剤治療が行われます。

進行がんでは痛み・腹部腫瘤・肉眼的血尿が見られることもありますが、健診の超音波検査などで偶然に発見される早期がんが増えています。転移の無い早期がんであれば、腎摘出術または腎部分切除術が行われます。手術の方法は、腫瘍のサイズ・位置・血管の走行などから慎重に判断しています。腎摘出術は腹腔鏡で行うことが多いですが、進行がんでは開腹手術が選択されます。腎部分切除術については、2016年より手術支援ロボットを用いた手術を導入しています。

当科では幅広い疾患に対応しており、水腎症に対するロボット支援腎盂形成術や腹腔鏡での尿膜管摘出術、精索静脈瘤に対する顕微鏡を用いた手術、腹圧性尿失禁に対する手術(ナイロンメッシュテープの挿入/人工尿道括約筋の挿入)なども行っています。小児の停留精巣や陰嚢水腫にも出来るだけ対応していますが、尿道下裂などの専門性の高い疾患については大学病院を紹介させていただきます。

入院の目安

区分 入院期間
前立腺針生検 1泊2日
体外衝撃波結石破砕術 1泊2日
陰嚢水腫根治術 3~4日間
経尿道的尿路結石破砕術 3~4日間
経尿道的膀胱腫瘍切除術 4~6日間
経尿道的前立腺核出術 6~8日間
腹腔鏡下腎摘除術 7~10日間
ロボット支援腎部分切除術 7~10日間
ロボット支援前立腺摘除術 10~12日程度
ロボット支援膀胱全摘術 2~4週間

診療実績

令和元年度 令和2年度 令和3年度 令和4年度 令和5年度
体外衝撃波結石破砕術 134 94 120 157 107
経尿道的尿管結石破砕術 66 88 87 68 112
経尿道的膀胱腫瘍切除術 197 186 178 213 247
経尿道的前立腺核出術 40 29 14 17 22
腹腔鏡下腎摘除術 18 17 17 5 11
腹腔鏡下腎尿管全摘除術 22 21 20 17 14
ロボット支援膀胱全摘除術 8 7 3 7 6
ロボット支援前立腺摘除術 54 63 36 55 44
ロボット支援腎部分切除術 8 4 16 8 12
ロボット支援腎盂形成術 - 2 1 4 1

スタッフ
紹介

窪田 裕樹くぼた ひろき

副院長 兼 診療協同部長 兼 医療情報部長 兼 手術センター長 兼 泌尿器科代表部長

免許取得年
平成8年
専門領域
尿路性器悪性腫瘍 / 内視鏡手術 / アンドロロジー
専門医・指導医・認定医
日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医 ・ 指導医 / 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医 ・ 泌尿器ロボット支援手術プロクター / 日本内視鏡外科学会 技術認定医 / 日本ミニマム創泌尿器内視鏡外科学会 施設基準医 / 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医 / 臨床研修指導医 / 看護師特定行為研修指導者
窪田 裕樹

私は当院で17年間、この地域の患者さんの治療に携わり、多くのことを学ばせていただきました。その経験から、患者さんにとっての最善の治療とは何かということを常に考えるようになりました。今後も患者さんに寄り添いながら、同時に質の高い医療を提供できるように日々の精進を続けてまいります。当科では10年前にロボット支援手術を導入しましたが、ロボットがあればそれだけで良い手術が出来るわけではありません。手術スタッフを含めたチーム作りが何よりも大切と考え、決して技術自慢・道具自慢に陥らないように気持ちを引き締めて手術に臨むように心がけています。

廣瀨 泰彦ひろせ やすひこ

泌尿器科結石破砕室部長

免許取得年
平成14年
専門領域
尿路性器悪性腫瘍 / 排尿障害 / 尿路結石
専門医・指導医・認定医
日本泌尿器科学会 泌尿器科専門医 ・ 指導医 / 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器腹腔鏡技術認定医 ・ 泌尿器ロボット支援手術プロクター / 日本内視鏡外科学会技術認定医 / 臨床研修指導医

野崎 哲史のざき さとし

ロボット支援手術部長

免許取得年
平成24年
専門領域
尿路性器悪性腫瘍/アンドロロジー
専門医・指導医・認定医
日本専門医機構認定泌尿器科専門医 / 日本泌尿器科学会 泌尿器科指導医 / da Vinci certificate(ダヴィンチ執刀資格) / 日本内視鏡外科学会技術認定医/ 日本泌尿器内視鏡学会 泌尿器科腹腔鏡技術認定医 / 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
野崎 哲史

鬼頭 拓未きとう たくみ

医員

免許取得年
令和2年
専門領域
泌尿器科一般

鈴木 敬子すずき ひろこ

医員

免許取得年
令和3年
専門領域
泌尿器科一般
鈴木 敬子

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